南アフリカで鍼灸院をやっていた植田智加子さんをご存知ですか?
ここ南アフリカでも日本食はかなり人気です。日本人の方が経営している美味しい日本食レストランが何軒かあり、私もよく利用させてもらっているのですが、お客さんは現地の人がほとんど。現地の人たちが美味しそうに寿司などの日本料理を食べている姿を見ると、同じ日本人として誇らしい気分になります。
ところで南アフリカで活躍している日本人は、料理関係者ばかりではありません。私が密かに尊敬している植田智加子さんも、ここ南アフリカで多大な貢献をしています。
マンデラ大統領と大の仲良し
植田智加子さんのことを知らない方のために、簡単に彼女のプロフィールを紹介しましょう。
上田さんは東京出身、1960年生まれ。大学を卒業後、都内の鍼灸院に勤務しながら、鍼灸師として多くの患者さんの治療にあたっていました。
彼女の人生に転機が訪れたのは1990年のことです。ノーベル平和賞を受賞したあのマンデラ大統領が初来日したときに、知人から大統領への鍼治療を依頼されます。大統領は植田さんの鍼治療をすっかり気に入ってしまい、彼女にぜひ南アフリカに来て、南アフリカの人たちにも鍼治療の素晴らしさを伝えて欲しいと懇願されました。
この時以来、2002年に帰国するまで実に17年もの間、首都ケープタウンに開設した鍼灸院で数多くの患者さんの治療にあたってきました。南アフリカ滞在時には、何度もマンデラ大統領に招かれ、大統領の邸宅で治療を行ったといいます。
歴史の教科書に載るような偉人から、直々に招かれるなんてすごいことです。
目黒の書店で植田さんの書籍を購入
私が植田智加子さんのことを知ったのは、南アフリカ赴任が決まってから、こちらのことをいろいろと調べているときでした。
たまたま立ち寄った目黒のブックストアで、彼女が書いた南アフリカについての書籍が目にとまり、購入したことがきっかけです。そこには、彼女が現地の生活に溶け込むまでの苦労や南アフリカの人々の素晴らしさがリアルな文章で綴られており、これは本当の南アフリカを知るための最高の参考書だと大興奮したものです。
彼女は2冊の著書を出版してるのですが、1冊目を読んだ後にすぐ2冊めを注文していました。苦労しながらも現地の人たちに愛され、惜しまれつつ帰国した彼女の姿は、これから南アフリカでの生活に挑戦する私にとって理想です。
彼女の著書は今でも私の部屋の本棚に並んでいて、悩み事があるたびに取り出して読むようにしています。
南アフリカに日本の鍼灸を伝えた彼女のように、私も人に褒めてもらえるような功績を残したいものです。
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